ブラウン「うーん…霧が深い…これじゃ追い払うも何も、発見できないよー…」
と、そのとき。
???「誰だ!」
何者かの声がかかり、それにブラウンは答える。
ブラウン「俺は西の村のブラウンだが、お前こそ誰だ!」
???「なんだ…兵士は逃げたんじゃないの…?いいわ、答えてやりましょう。
私はジョーカー様の忠実なる僕、魔王六傑衆が1人、”魔”のクリンハットよ!」
ブラウン「なんだって!?」
ブラウンが驚く。ほどなくして、霧の中から1人の少女が現れた。
少女の髪は黄金、目は空のごとく碧(あお)い。紫色の長袖洋服とスカートを着ており、
これまた紫色の三角帽をかぶっている。
ブラウン「魔王六傑衆…強そうな称号だな…」
クリンハット「あなたが西の村のブラウン?」
ブラウン「そうだ!字山に来たジョーカーの軍を追い払いに来た!」
クリンハット「フフフ…村の兵は霧に恐れをなして逃げるので精一杯だった…
ましてや、平民っぽそうなあなたが、私に勝てると思って?」
ブラウン「平民だと…?自分で言うのもなんだが、俺は村一番の術士だ。なめるなよ?…とりあえずお前を倒す!」
平民という言葉がブラウンのプライドに触れたようで。少し怒りをあらわにする。
クリンハット「面白い!その誘い、乗った!倒してみなさい、六傑衆であるこの私を。できるものならね!」
と言って、クリンハットが構える。そして、その華奢な身体から漏れ出す魔力の量が大きくなった。
クリンハット「私の七色(しちしき)魔術を喰らいなさい、反逆者!」
ブラウン「え、ちょっとまて、この霧の中で戦うの?え?ちょっとまt」
クリンハット「イヤーッ!!」
ブラウン「うわー!」